LOVE SEED
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11/24/23:57 [PR] |
11/09/13:56 珈琲ミルクDESTINY本編以後、宇宙での大戦を終えた後オーブに帰還前のAA戦艦内でのお話です。
甘くたるいその味に、思い出すは幼い頃の記憶か? それとも・・・? 『アスランも飲む?』と差し出された湯気の立つティーカップを、俺はジッと見つめる。 中身は一体何なのか? つい先程まで艦内にて雑用をこなしていた自分。 やや喉が渇いているのは確かなのだけれど・・・? 「これはね・・・っと、あ!バルドフェルドさんも、良かったらどうです?」 「キラ君。ありがとう!丁度喉が渇いていたところでね。」 その時扉を開けて室内に入ってきた彼・・・アンドリュー・バルドフェルド。 彼は何の疑問も抱かずにそのティーカップを手にした。 「ホラ!アスランも・・・どうぞ?」 「ぁ・・・あぁ。ありがとう。」 やや躊躇しながらも、流れに逆らえず俺はキラからソレを受け取った。 中身を覗き込めば、コレは・・・? 「ホット珈琲・・・か?」 「うん。ミルク入りだけどね。」 恐らこの色はそれ以外にありえないであろう、淀んだ茶色をしているのだから。 正直、自分は珈琲と言えばブラックが好みである。 が・・・折角の好意を無下にするのは、どうかと思えて。 「じゃあ、喜んで頂くよ。」 「頂きます。」 「どうぞ♪」 バルドフェルドさん共々、俺はキラに礼を言いカップを口元へ運んだ。 そうして・・・。 「ッッ・・・ぅ・・・!?」 「キ・・・ラ。これは・・・!?」 「え?何?どうか・・・した?」 「な・・・なんだね。この・・・まった~りとした甘い味は・・・!?」 「あぁ。だから、珈琲牛乳って・・・。」 「珈琲牛乳!?・・・って、ホット珈琲にミルクを入れたのではなくて、元々一緒になってるヤツか!?」 「うん。」 「・・・。」 一口だけ飲んだ状態でもって、カップを手に大きく顔をしかめる男二人。 ややあって、互いに目と目を合わせ・・・どうしたものか?と苦笑いをする。 「いや・・・キラ君。僕はね、確かに珈琲は好きなんだが・・・。」 「俺も・・・その、どうもこういう甘さはちょっと・・・。」 「あら?あらあらあら?どうなさいましたの?」 「・・・ラクス。」 そこへ、にこやかな笑みを浮かべつつ入ってきた桃色の髪をした女性の姿。 彼女は俺達を見て、それからその手に持っているカップを見つめる。 「まあ!ソレ・・・如何でしたか?」 「・・・え?」 「ソレ・・・って?あの・・・コレ、ですか?」 「ええ!その珈琲牛乳ですわ!」 「・・・。」 嬉しそうに微笑みパチンと両手を合わせたラクスに、どうにも雲行きの怪しさを感じた俺。 まさか、コレは・・・!? 「君が・・・淹れてくれたのかな?」 バルドフェルドさんも同じような事を思ったのであろう。 彼には珍しく、歯切れの悪いその口調。 「いいえ。」 だが返って来たそのは、意外にも『違う』という言葉で・・・。 その事に気持ちホッとしつつ、ならばコレはキラが淹れたのだろうか?と俺は思ったのだ・・・が。 「それは、カガリさんが好んで飲まれていた物ですのよ?」 「・・・え?」 「あのオーブの姫君がか?」 「ハイ。何でも、懐かしい味がするとか何とか・・・。パックの物を大量に仕入れて、お茶の時間はソレを暖めてよく飲んでみえましたわ!」 「カガリ・・・が・・・。」 俺は思わずジッとカップの中身を覗き込んだ。 彼女が懐かしいと言って飲んだというこの液体。 果たして・・・一体どんな想いを描きながら、カガリはコレを飲んでいたのだろう? 「・・・って、アスラン君!?」 「あれ?アスラン!?この甘さは苦手って言ってたのに・・・!?」 「あら・・・うふふ。愛の成せる業・・・ですわね、アスラン。」 まったりとしたこの甘味。 トロンとしたたるい液体は、何処か優しくもあり・・・そしてそしてそして・・・? 「アスラン・・・大丈夫?良かったら水飲む?」 「いや・・・いい。」 「だが・・・なんとも言えない顔をしているぞ?」 「・・・大丈夫ですから!」 この悩ましい味は、正しく彼女を泣かせた己への甘い罰の味なのだろう。 俺はそう思い、ごくりとソレを嚥下したのだ。 本日、母子3名ともに胃腸風邪でぶったおれております。 そんな中、子供がせがんでこしらえた珈琲牛乳。 ソレをちょびっと飲んで思いついた、馬鹿な妄想文でしたw PR
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11/04/02:37 IF DESTINY (無駄に長いと思います・・・w)思いついた、こんなDESTINY。
いわゆる、本編捏造編です。 (以前サイトに載っけていたのかいなかったのか?発見して消去するのも勿体無く思い、ブログでUPする私w) 無駄に長いです! そして未完の妄想です! 以上の点を踏まえた上で、お読み下さいませ。 登場人物の設定等は、ほとんど何も変わりありません。
C.E73.地球に堕ちたU7の残骸は、再び大きな憎しみ、悲しみを生んだ。
ミネルバからの、陽電子砲攻撃。 「なッッ!?」 その光線によって、誘発し、爆発する主砲。 それを目にした者全てが、息を呑み、動きを止めたのだった。
『何故こうして、オーブが連合と手を結び、派兵をしたのか!!これが、国を危険に曝す行為だと、何故分からないんだッ!?』 沈黙したままのオーブ艦隊。 頼みの綱の、主砲が使えない上に、例の強奪MSまで・・・! 怒りに満ちた声が、フリーダムより電波となって届く。 『ユウナ・ロマッ!!オーブの軍を退けッ!!この言葉が聞けないのならば・・・国家元首である、カガリ・ユラ・アスハの命は・・・保障しない!!』 その突然の脅迫に・・・多くのムラサメ機は動きを止める。 音がして、海面に白い無数の泡が出てきた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 紅いMSが小島に着陸する。 「この間の戦闘は、運良くオーブ・連合軍が退いたから良かったものの・・・お前は、国家元首誘拐犯として、世界に名でも馳せたいのかッッ!?」
未完作 |
10/21/03:16 アウステ何故かいきなり、アウル×ステラSSです(^^ 「アウ・・・ル?」 押し付けていた柔らかな肢体が動いて、その心地良いリズム音を遠ざけた。 「ったく!もういいから・・・行けよ!」 オドオドとした感じて自分に問いかけてきたソイツに、苛立った気持ちそのままの言葉をぶつけてやる。 「あの・・・アウル。・・・お休みなさい。」 何かを言いた気にしつつも、結局諦めたのだろう。 「・・・。」 喉元まで出かけた言葉があったものの、結局それは声にはならず。
時々、妙に意識が熱くなる時がある。 ・・・そんな事よりも・・・! 自分が好きな事をした方が何倍も良い。 「ステラ!」 丁度暇を持て余していた時に見つけた、ふわふわと艦橋を漂う金色のソイツに俺は軽く声をかけた。 「来いよ・・・遊んでやるから!」 グイッと顎で行く先を指してやれば、ソイツはオドオドしながらもコクンと小さく頷く。 こんな事ぐらい、何がどうなのか!? 「ッ・・・ァ・・・や!」 感度良く反応を示すコイツ。 「あ・・・んっ・・・や・・・アウ・・・ルっ。」 乗ってきた気分のままに、俺はその下半身を覆う薄布を取り去り両足を大きく開かせた。 「んっ・・・あ・・・んんっ!」 俺の動き一つで、コロコロと変わり行くその様。 「あああっ・・・ん・・・はぁっ!!」 最後の最後、果てる瞬間に名を呼びその細い首筋に顔を埋める俺。 ・・・ル・・・ウル・・・。 心地良いその呼び声が、次第にハッキリと聞こえてきて・・・。 「アウル・・・?」 際限なく自分の名を呼ぶ声。 聞こえるリズム。感じる懐かしさと思い。 |
10/12/05:05 憧憬アスカガウェディング後のイザークボヤキ編です(苦笑)
先程手元へと持ってこられた報告書とやらを、何気に手に取り見開く。 ・・・調査報告書という銘打たれた最初の文字を見て、彼はフウッと溜息を一つついた。 手にした品はそのままに、チラリとデスクの上、そこにあるPC画面端に目が向いて。 14:43・・・もうそろそろ、終わる頃だろうか? ふとそんな事を思うこの胸。 そうしてくでんと執務用チェアーに身を任せ、彼はまた一つ溜息をつく。 ・・・何だというのか・・・? 己の胸に問いかける。 だから一体、何なんだ!? 今更、俺は何を思っているのだ?・・・と。 「失礼いたします!」 その時不意に入室を告げる声がして、彼はキッとした鋭い眼差しを入り口に向けた。 『入れ!』と短い了承の言葉を告げてやれば、シュンという音がして開いた扉。 「先程仰っておられた件について、それに関する資料等お持ち致しました!」 「・・・あぁ。では、其処に!」 「はい。」 そうしてまた、デスクの一箇所に乗せられた新たな品。 ソレにやや眉を潜めて、彼はこちらに敬意を払いつつ颯爽と退室していく部下の姿を目で見送った。 シュンと入り口が閉まる音を聞いた直後、フウッとまた一つ零れ落ちた吐息。 チェアーに優雅に足を組み座った状態で、彼はクルンと身を返した。 自室の大窓、其処から見えるプラントの空へと目を向けて・・・。 ・・・遠い、な。 目にした青空の果て。 暗い宙空間を通り、そうしてようやく辿り着ける青い星。 己の住む世界と彼等が住まう世界とは、やはりとてつもなく遠いのだ。 無性に感じる距離感。 そうか・・・そうだな・・・。 フッと思わず生じた苦笑は、己がライバルと認めた男の所為だった。 奴が『彼女』をその手に出来たのは、自ら隔たりを越えていったからなのだ・・・と。 「到底、俺には出来ん事だがな・・・。」 ポツリと呟いた言葉、それと同時に酷く青い感情が胸に生じる。 自分と奴との差。 そうだ、元々分かっていた事ではないか? ・・・アイツならば、きっと『彼女』を幸せにするだろう。 自然と込み上げてくる確信。 だが、ソレがまたこの胸を重く青くしていく・・・。 「何なんだか・・・。」 忌々しいこの胸の感情。 バンッとと無造作にデスクへと報告書を戻して、彼はギュッと両目を瞑った。 すると暗い意識内、ぼんやりと浮かんでくる金色。 『お前がGAT-X102デュエル・ガンダムのパイロットか!?』 忘れもしない、出会った当初の声が蘇る。 そうして、己をジッと食い入るように見つめてきた琥珀色・・・。 『ありがとうな!お前のおかげで助かった!』 あの時、自分に向かい突然に礼を言ってきた彼女。 ナチュラルで、しかもオーブMSパイロット姿で、しかも無茶苦茶に無防備で・・・! 対して俺は機嫌が悪く、何処か陰鬱であった。 だから目の前にいきなり現れた彼女を強く睨み、そしてうっとおしく思いさえしたのだけれど。 でも・・・そう、本当は眩しすぎたのだ。 ・・・ナチュラルは敵だ! 自身が抱いていた信念、感情、それ等を一気に覆すかのような存在。 己と何も変わらぬ外見、感情、そして何よりか細くて柔らかそうなその女性の姿に、この胸が強く締め付けられて! 『本当に、ありがとう!』 ニッと目の前で微笑んだ彼女に、もう俺は懺悔の気持ちを抱きはじめていた。 果たして、自分は礼を言われるに値するのだろうか?・・・と。 コイツの同胞を、俺は一体どれだけ倒してきたのか!? 止メロ・・・止メテクレ・・・!! 『これからまた大変だろうが・・・!』 だがその一瞬後! その時は、何が起こったのか分からなかった。 ポンッと自分の肩を叩いた手と、そして・・・。 『お互いに、頑張っていこう!』 まるで、俺の中の暗い闇を取り払うかのよう。 視近距離で見つめた琥珀色の瞳の中、其処に眩い暁の光が見えた気がした。 金色に輝く、あの地球で見た陽光の如き光が・・・。 「!?」 ピピピッという機械音が、過去へと遡っていた意識をとぎらせた。 ハッとして目を向ければ、デスクの上で鳴っている携帯機器。 俺はソレを目を細めて見つめ、そうしてゆっくりと歩み寄る。 そして手で開き、受信ボタンを押して・・・。 「何だ・・・?」 『・・・って、イザーク?いや、今終わった所なんだけれど・・・。』 藪から棒にそう問い尋ねてやれば、向こう側で大きく困惑した男の顔。 だがめかしこんだその衣服と、そして職務を離れた解放的なソイツの口調に俺の中の不快感指数は上がる一方。 「それで・・・何なんだ?」 『いや、だから・・・別に『何』って訳でも無いんだけどさ。』 「用が無いのならば、切るぞ?こちらは勤務中なんでな!」 『あぁ、分かってる!分かってるから・・・そんなにカリカリするなよ、イザーク?』 「誰もカリカリなどしてはいない!」 キツク言い返してフンッと一つ鼻を鳴らせば、通信画面の向こう側、ディアッカは何も言わず。 そうして、しばらく間を置いてだった。 『いや、一応報告までに・・・と思ってさ!』 何の報告だ!? 報告と言う言葉に、自然と己の耳は聞く体勢になってしまう。 これは職業病というヤツだろうか? 俺は忌々しく思いつつも、続く言葉に耳を傾けて・・・。 『式は滞りなく無事に終了。アスランの奴も、実に幸せそうだった。』 「っ・・・アイツが幸せであろうが無かろうが、俺にはどちらでも良い事だ!」 『ふっ・・・まぁ、それは俺も同感だけど。』 鋭く言い放った俺に、画面の向こう側の紫色の瞳が苦笑する。 そうして、唐突に・・・だった。 『彼女も・・・綺麗だったぜ?』 ディアッカが付け足したその言葉に、思わずピクリとこめかみが動いた。 けれど、俺はグッと腹に力を入れる! 「関係ないな!・・・そんな事よりも、お前は適当に羽根を伸ばしてサッサとこちらに帰って来い!」 チラリとデスクの上、其処に置かれた目を通すべき書類等を見やる俺。 やらねばならぬ事は、まだまだ沢山あるのだから・・・! 『・・・あぁ、了解!じゃあな!』 明らかに苦笑いを浮かべつつ、ディアッカの奴はとっとと回線を切る。 まあ、それが正解というヤツだろう。 正直今の俺は、ちょっと気が乱れているのだから・・・。 「何が、綺麗だったぜ・・・だ!」 要らぬ報告をしてきた友に、俺は悪態をつく。 そうしてグデンとまたチェアーに身を預け、そのまま目を閉じた。 まだ今しばらくは、この胸の葛藤は続くのかもしれないな・・・。 そんな自分に呆れつつも、致し方無いと納得しようとする胸。 己の青くも淡い初恋。 それはまだ、消し去るには至らぬようだから・・・。 ということで、アスカガウェディング後のイザークボヤキ編でしたw 多分彼ならばこんな感じなのでは??と想像しつつ書きましたが、どう?(誰に聞いているw いや、自分もイザカガ好きです^^ が・・・寧ろイザカガに嫉妬するアスランという図がもっと好きw 今回のお話はアスランに嫉妬するイザークと言う事で、結構想像するのが難しかったです。 だって、イザークの嫉妬って凄い気がしてなりませんもの。 私の中で嫉妬の強さは、アスラン<イザークなんですが・・・。 |
09/19/03:48 幸せの余波 アスカガの結婚式後のディアミリ短編SSです。
ユラユラと揺れる毛先。 柔らかいその甘茶色から覗くのは、この眼に眩しい白き項。 髪の長さもその全身の姿形も、あの頃とあまり変わらない。 だがそれでいて、何処か何かが違うような気がしてならなかった。 ・・・何でだ・・・? 其処でようやく俺が『あぁ、そうか・・・!』と気づいた。 それは、その普段とは違う艶やかな装いの所為なのだ・・・と。 通り風に透けて揺れる淡い橙色の薄布。 花びらの形をした袖からは、陽を受けて輝く白い細腕。 ウェストラインに揺れるのは、つやつやと光沢のあるリボンで・・・。 それ等に自然と細くなる俺の眼。 「なぁ・・・?」 「・・・なによ?」 衝動的にかけた声に、何処かムスッとした顔つきで無粋な言葉が返ってきた。 折角の華やかで可憐な装いであるというのに、この出会った当初を思い出す言動はどうだろう? 勿体無い・・・! 胸の中でそう思いつつ、俺は一先ず軽く苦笑をした。 変わったようでいて、変わらない・・・これは人の本質というヤツだろうか? 「もうちょっと、ゆっくり歩けよ?」 「・・・あたしはこれが普通なの。そっちこそ、もうちょっとスタスタと歩けないの?」 「・・・。」 こちらの提案なんて、根っから聞いちゃいない。 いや、聞く気なんてないのだろう。 俺はアッサリとそう判断して、ならば・・・とグッと歩く歩幅を大きくした。 そうして・・・! 「これで宜しいでしょうか?ハウ嬢?」 「っ・・・!?」 「よろしければ、その重い引き出物袋をお持ちしましょうか?」 「・・・。」 彼女の真横に並ぶと、半ば冗談、残りの半分は嫌味でもって、恭しく騎士の真似事をしつつ片手を差し出してやった。 そんな俺に、彼女は驚きちょっとだけ身を引く。 そしてその丸い空色の瞳でジッとこちらを見つめてくる。 「何か・・・企んでいるとか?」 「・・・あのなぁ?」 「そんな態度を取られると、逆に訝しみたくもなるわよ?」 「お前・・・それじゃ俺がまるで紳士から程遠い人間みたくないか?」 「・・・いいわよ。これぐらい、自分で持っていけるから!」 こちらの問いかけを見事にスルーして、彼女はアッサリとそう言い再びスタスタと自分より先を歩き出す。 その取り付く島の無い態度には、流石の俺も盛大な溜息が零れ出た。 悲しいかな、思いっきり防衛線引かれてるよな・・・。 その事を痛いほどに実感して、やれやれと後頭部をかきむしる。 俺って、そんなにも酷い男だったか? こんな風に、徹底的に嫌われるような事をした覚えはないのだけれど・・・? ・・・まぁ、そりゃ・・・ノッた勢いに任せてちょっと強引に彼女を抱いた事はあった・・・かも? そうして短い期間ではあったが、確かに『彼氏と彼女』であった時の事をふと思い出す。 幸せとかそういうのを噛み締める程の付き合いではなかったものの、彼女と共に居ると非常に心が和んだ。 それまでが結構スリルを楽しむ恋愛など好んでいた自分なだけに、そういう存在が逆にイレギュラーで・・・。 新鮮というのか? いや、寧ろ自分の中で真に求めていたモノを見つけたような気がしていたのだ。 だからといって、それまでの自分がいきなり変わるわけでもなく・・・。 俺が思ったままの事を口にして、それが原因で『無神経な男ね!』だとか『冷酷な人ね!』とかしょっちゅう口喧嘩をしたものだった。 とはいえ、彼女に無理強いしたなんて事は決して無かった。 いやいや、そんな事を出来る筈も無くて・・・! なのに、ふとある時生じた互いの間のギズギズ感。 そして・・・。 『ねぇ・・・私たち、別れない?』 そう告げたのは彼女からだ。 本当に突然で、そして何とも言えずアッサリとした口調だった。 それに対して俺は、変なプライドも相まってか『そうしたいならば・・・別にいいぜ?』と答えて・・・。 でも、心の底ではずっと・・・ずっと気になっていたのだ。 ・・・これでもう、本当に・・・彼女とは終わりなのだろうか? そんな、妙な思い。 自分で別れる事を了承しておきながら? 俺は、実はずっと・・・『再び』がある事を望み期待しても居て・・・! ・・・別れた時もそう・・・今もそう・・・俺の勝手な考えなんだけど・・・な。 根拠の無い淡い期待。 そして見つめた先、目の前を独りで行く彼女の背にこの胸は少し青味を帯びる。 『この機に乗じて、もう一度・・・彼女にアプローチでもしてみたらどうだ?』 珍しくそんな事を進言してきたのは、今回俺がわざわざ休暇を取って地球の一小国であるオーブまでやってきた理由の主だった。 普段はコレと言って気の利いた話をする奴じゃないのだが、どうやら祝宴の酒に酔った所為もあって、いつにも増して口数が増えていた。 元同じZAFT軍人で、今はオーブの高官、そしてついに・・・多くの障害を乗り越えて高根の花たる女性を娶った優男。 『いつもより穏やかに話が出来るかもしれないぞ?』 いかにも幸せそうな翡翠色の瞳が、披露宴会場の一角へと向けられた。 その先には、乾杯の折に口にしたシャンパンだけで微かに頬を朱色に染めている甘茶色の髪をした彼女の姿。 確かに酒の入った後ならば、俺も気が楽だ。 とはいえ・・・果たしてどんな反応をされる事やら? そんな事を考えて、思わず口篭っていればだった。 『ハハ・・・ディアッカが、こんなに躊躇するなんて。珍しいな・・・というか、それだけ真剣って事か?』 くそっ・・・アスランめ! 意中の女性と晴れて結ばれた勢いでもあってだろう、自分に向かいそんな事を言ってのけやがった。 今までならば自分が彼をからかうのが主流であったというのに・・・! そんな悔しい気持ちをバネに、俺はようやく気持ちを決める。 『あのさ・・・良かったら、この後どっかでお茶でも飲まない・・・か?』 新婦側の来賓席へとお酌に回ったついでに・・・と、自分は彼女に誘いの言葉をかけたのが約1時間程前。 彼女はそんな俺に、一瞬大きく迷った挙句『お茶飲むだけなら・・・』と渋く了承の言葉を返してくれて・・・。 「・・・ねぇ?」 「ん?」 気が付けば、数メートル前で足を止めた彼女がこちらを振り返りジッと俺を見つめていた。 その真っ直ぐな青い瞳に、思わず俺はパチパチと両目を瞬かせる。 「何、ぼーっとしるのよ?」 「あ・・・いや、悪い。ちょっと・・・考え事をさ・・・。」 振り返った思い出に、やや青くなりかけていた胸を隠してそう答えればだった。 俺の微妙な顔つきに、彼女はちょっとだけ首を傾けて。 「いやね・・・こんな所で考え事?」 「・・・ちょっとな。」 「何よ、それ。」 「なんていうのか・・・うん。色々と・・・な。」 「・・・。」 口篭った自分の方へと、彼女は何故かトコトコと歩み寄ってきた。 そうしてピタッと俺の面前で立ち止まる。 「やけに・・・しんみりしてるのね?」 「っ・・・て、俺がか?」 「そう。もしかして、意外と感情もろい方だったとか?」 「・・・何言ってんだか。別に、人の結婚式なんざ見ても、俺は何とも思わないぜ?」 ニヤニヤとにやけているアスランの顔が脳裏に浮かんできて、俺は思わず強気にそう言い返していた。 すると何故か、彼女の瞳がちょっとだけ陰りを見せる。 その目に、『ん?』と素早く反応を示すこの胸。 「そうよね・・・。アンタは、昔っからそういう奴だったわよね。」 さっきまでとは違うトーンでもって聞こえた言葉。 その訳の分からない態度に、俺はグッと顔をしかめる。 何だ? 彼女は・・・何を怒っているんだ!? 「ミリィ・・・?」 「馴れ馴れしく呼ばないでよ。」 「あ・・・いや。じゃあ・・・ハウさん?」 「・・・ミリアリア。名前で呼んで。」 背けられた彼女の顔を追い、俺は身体を屈ませた。 一体全体、何がどうしたっていうんだか? 「どうした?そっちこそ・・・ミリアリアこそ変だぞ?」 「・・・何でも無いわよ。」 「何でも無い・・・って、そういう顔してか?」 「五月蝿いわね!何でも無いっていったら、何でも無いのよ!・・・ただ。」 「・・・?」 そこでいきなりグッと押し黙った彼女。 俺はジッとその横顔を見つめる。 「人と一緒に居る時に、他所事考えてるのって・・・どうなのよ?」 小さく呟かれた言葉。 その何処か困惑顔の彼女を見て、俺の中の何かが弾けていた。 意地っ張りで強がりで我が強くて、それに負けず嫌いで・・・だけどその実、淋しがり屋で・・・! 中々、素直に気持ちを出さない奴だったよ・・・な? 「その・・・。」 「え?」 「つい・・・お前の姿に悶えてた。」 「・・・って・・・はぁ?」 「その格好、良く似合ってる。」 「な、何よ・・・いきなり!」 『馬鹿じゃない?』と、俺の言葉に冷たい言葉で返した彼女。 でも・・・だけれど! 「お茶・・・するんでしょ?早く行きましょう?」 自分に向かい、微かに微笑む彼女。 その顔には、喜びが見て取れた気がしたから・・・! 「おう!」 俺は自分の胸に片手を当てて、強く宣誓する。 彼女のハートを、再びこの手に・・・と! キララクに次いで書いてみました・・・が如何でしょうか? ミリアリアは、別れたディアッカに何処かツンケンしてます。 でも脳内では、幸せなアスカガウェディングを見た感動が強く印象に残っていて・・・。 ディアッカからの誘いに、本当は胸の中ドキドキしてるんですよ。 そんな彼女に気持ち迷い、独り自分の世界に浸るディアッカw このCPは、彼女に翻弄されているようでいて、その実グイグイ引っ張っていく彼という感じで面白いですvv さて、次はシンルナかな(え? でもって、その次にアスカガを(これがメインでしょう^^ ふふふ、結婚式直後シリーズ? 出来あがったらUPしようと思います。 |