LOVE SEED
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11/24/10:05 [PR] |
11/09/13:56 珈琲ミルクDESTINY本編以後、宇宙での大戦を終えた後オーブに帰還前のAA戦艦内でのお話です。
甘くたるいその味に、思い出すは幼い頃の記憶か? それとも・・・? 『アスランも飲む?』と差し出された湯気の立つティーカップを、俺はジッと見つめる。 中身は一体何なのか? つい先程まで艦内にて雑用をこなしていた自分。 やや喉が渇いているのは確かなのだけれど・・・? 「これはね・・・っと、あ!バルドフェルドさんも、良かったらどうです?」 「キラ君。ありがとう!丁度喉が渇いていたところでね。」 その時扉を開けて室内に入ってきた彼・・・アンドリュー・バルドフェルド。 彼は何の疑問も抱かずにそのティーカップを手にした。 「ホラ!アスランも・・・どうぞ?」 「ぁ・・・あぁ。ありがとう。」 やや躊躇しながらも、流れに逆らえず俺はキラからソレを受け取った。 中身を覗き込めば、コレは・・・? 「ホット珈琲・・・か?」 「うん。ミルク入りだけどね。」 恐らこの色はそれ以外にありえないであろう、淀んだ茶色をしているのだから。 正直、自分は珈琲と言えばブラックが好みである。 が・・・折角の好意を無下にするのは、どうかと思えて。 「じゃあ、喜んで頂くよ。」 「頂きます。」 「どうぞ♪」 バルドフェルドさん共々、俺はキラに礼を言いカップを口元へ運んだ。 そうして・・・。 「ッッ・・・ぅ・・・!?」 「キ・・・ラ。これは・・・!?」 「え?何?どうか・・・した?」 「な・・・なんだね。この・・・まった~りとした甘い味は・・・!?」 「あぁ。だから、珈琲牛乳って・・・。」 「珈琲牛乳!?・・・って、ホット珈琲にミルクを入れたのではなくて、元々一緒になってるヤツか!?」 「うん。」 「・・・。」 一口だけ飲んだ状態でもって、カップを手に大きく顔をしかめる男二人。 ややあって、互いに目と目を合わせ・・・どうしたものか?と苦笑いをする。 「いや・・・キラ君。僕はね、確かに珈琲は好きなんだが・・・。」 「俺も・・・その、どうもこういう甘さはちょっと・・・。」 「あら?あらあらあら?どうなさいましたの?」 「・・・ラクス。」 そこへ、にこやかな笑みを浮かべつつ入ってきた桃色の髪をした女性の姿。 彼女は俺達を見て、それからその手に持っているカップを見つめる。 「まあ!ソレ・・・如何でしたか?」 「・・・え?」 「ソレ・・・って?あの・・・コレ、ですか?」 「ええ!その珈琲牛乳ですわ!」 「・・・。」 嬉しそうに微笑みパチンと両手を合わせたラクスに、どうにも雲行きの怪しさを感じた俺。 まさか、コレは・・・!? 「君が・・・淹れてくれたのかな?」 バルドフェルドさんも同じような事を思ったのであろう。 彼には珍しく、歯切れの悪いその口調。 「いいえ。」 だが返って来たそのは、意外にも『違う』という言葉で・・・。 その事に気持ちホッとしつつ、ならばコレはキラが淹れたのだろうか?と俺は思ったのだ・・・が。 「それは、カガリさんが好んで飲まれていた物ですのよ?」 「・・・え?」 「あのオーブの姫君がか?」 「ハイ。何でも、懐かしい味がするとか何とか・・・。パックの物を大量に仕入れて、お茶の時間はソレを暖めてよく飲んでみえましたわ!」 「カガリ・・・が・・・。」 俺は思わずジッとカップの中身を覗き込んだ。 彼女が懐かしいと言って飲んだというこの液体。 果たして・・・一体どんな想いを描きながら、カガリはコレを飲んでいたのだろう? 「・・・って、アスラン君!?」 「あれ?アスラン!?この甘さは苦手って言ってたのに・・・!?」 「あら・・・うふふ。愛の成せる業・・・ですわね、アスラン。」 まったりとしたこの甘味。 トロンとしたたるい液体は、何処か優しくもあり・・・そしてそしてそして・・・? 「アスラン・・・大丈夫?良かったら水飲む?」 「いや・・・いい。」 「だが・・・なんとも言えない顔をしているぞ?」 「・・・大丈夫ですから!」 この悩ましい味は、正しく彼女を泣かせた己への甘い罰の味なのだろう。 俺はそう思い、ごくりとソレを嚥下したのだ。 本日、母子3名ともに胃腸風邪でぶったおれております。 そんな中、子供がせがんでこしらえた珈琲牛乳。 ソレをちょびっと飲んで思いついた、馬鹿な妄想文でしたw PR
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可愛いvお話ご馳走様です。
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日向さんvシェイシェイvv
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