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11/09/13:56  珈琲ミルク

DESTINY本編以後、宇宙での大戦を終えた後オーブに帰還前のAA戦艦内でのお話です。
 
 
  

 
甘くたるいその味に、思い出すは幼い頃の記憶か?
それとも・・・?
 
 
 
『アスランも飲む?』と差し出された湯気の立つティーカップを、俺はジッと見つめる。
中身は一体何なのか?
つい先程まで艦内にて雑用をこなしていた自分。
やや喉が渇いているのは確かなのだけれど・・・?
 
「これはね・・・っと、あ!バルドフェルドさんも、良かったらどうです?」
「キラ君。ありがとう!丁度喉が渇いていたところでね。」
 
その時扉を開けて室内に入ってきた彼・・・アンドリュー・バルドフェルド。
彼は何の疑問も抱かずにそのティーカップを手にした。
 
「ホラ!アスランも・・・どうぞ?」
「ぁ・・・あぁ。ありがとう。」
 
やや躊躇しながらも、流れに逆らえず俺はキラからソレを受け取った。
中身を覗き込めば、コレは・・・?
 
「ホット珈琲・・・か?」
「うん。ミルク入りだけどね。」
 
恐らこの色はそれ以外にありえないであろう、淀んだ茶色をしているのだから。
正直、自分は珈琲と言えばブラックが好みである。
が・・・折角の好意を無下にするのは、どうかと思えて。
  
「じゃあ、喜んで頂くよ。」
「頂きます。」
「どうぞ♪」
 
バルドフェルドさん共々、俺はキラに礼を言いカップを口元へ運んだ。
そうして・・・。
 
「ッッ・・・ぅ・・・!?」
「キ・・・ラ。これは・・・!?」 
「え?何?どうか・・・した?」
「な・・・なんだね。この・・・まった~りとした甘い味は・・・!?」
「あぁ。だから、珈琲牛乳って・・・。」
「珈琲牛乳!?・・・って、ホット珈琲にミルクを入れたのではなくて、元々一緒になってるヤツか!?」
「うん。」
「・・・。」
 
一口だけ飲んだ状態でもって、カップを手に大きく顔をしかめる男二人。
ややあって、互いに目と目を合わせ・・・どうしたものか?と苦笑いをする。
  
「いや・・・キラ君。僕はね、確かに珈琲は好きなんだが・・・。」
「俺も・・・その、どうもこういう甘さはちょっと・・・。」
「あら?あらあらあら?どうなさいましたの?」
「・・・ラクス。」
  
そこへ、にこやかな笑みを浮かべつつ入ってきた桃色の髪をした女性の姿。
彼女は俺達を見て、それからその手に持っているカップを見つめる。
  
「まあ!ソレ・・・如何でしたか?」
「・・・え?」
「ソレ・・・って?あの・・・コレ、ですか?」
「ええ!その珈琲牛乳ですわ!」
「・・・。」
 
嬉しそうに微笑みパチンと両手を合わせたラクスに、どうにも雲行きの怪しさを感じた俺。
まさか、コレは・・・!?
 
「君が・・・淹れてくれたのかな?」

バルドフェルドさんも同じような事を思ったのであろう。
彼には珍しく、歯切れの悪いその口調。
 
「いいえ。」
 
だが返って来たそのは、意外にも『違う』という言葉で・・・。
その事に気持ちホッとしつつ、ならばコレはキラが淹れたのだろうか?と俺は思ったのだ・・・が。
 
「それは、カガリさんが好んで飲まれていた物ですのよ?」
「・・・え?」
「あのオーブの姫君がか?」
「ハイ。何でも、懐かしい味がするとか何とか・・・。パックの物を大量に仕入れて、お茶の時間はソレを暖めてよく飲んでみえましたわ!」
「カガリ・・・が・・・。」
 
俺は思わずジッとカップの中身を覗き込んだ。
彼女が懐かしいと言って飲んだというこの液体。
果たして・・・一体どんな想いを描きながら、カガリはコレを飲んでいたのだろう?
 
「・・・って、アスラン君!?」
「あれ?アスラン!?この甘さは苦手って言ってたのに・・・!?」
「あら・・・うふふ。愛の成せる業・・・ですわね、アスラン。」
  
まったりとしたこの甘味。
トロンとしたたるい液体は、何処か優しくもあり・・・そしてそしてそして・・・?
  
「アスラン・・・大丈夫?良かったら水飲む?」
「いや・・・いい。」
「だが・・・なんとも言えない顔をしているぞ?」
「・・・大丈夫ですから!」
  
この悩ましい味は、正しく彼女を泣かせた己への甘い罰の味なのだろう。
俺はそう思い、ごくりとソレを嚥下したのだ。
 
  
 
 
本日、母子3名ともに胃腸風邪でぶったおれております。
そんな中、子供がせがんでこしらえた珈琲牛乳。
ソレをちょびっと飲んで思いついた、馬鹿な妄想文でしたw


拍手[3回]

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無題

可愛いvお話ご馳走様です。

自分も昔コーヒー牛乳のパックに砂糖とコーヒー用のクリームを入れて飲んでました。
今じゃ絶対に飲めませんが・・・。

飲んでしまうアスランが素敵です。
そしてキラはデフォルトでこの甘さがすきそうですv

  • 2008年11月10日月
  • URL
  • 日向です
  • 編集

日向さんへ・・・

日向さんvシェイシェイvv
ありがとう。
病人さながら、こーひーぎゅうにうで思わず妄想したアスカガ文です。
うふふ。あれは、甘いですよね。
いや、子供は好きな味なんだろうけれど・・・久々に飲むと驚きです(笑)
私も子供の頃は好きでしたよv
いや・・・でも、更に砂糖とクリーマーは入れたという日向さんは、ツワモノかと!!
子供の頃って、本当に甘い味が好きだったんだな・・・。
珈琲牛乳を飲みつつ、そんな風にしみじみと思いつつ書いた一話ですw

  • 2008年11月11日火
  • 華焔
  • 編集
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