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03/19/02:10  イベントにて配布した短文 カガリVer.

ザワザワとざわめく軍作戦本部内、此処にいる誰もが一様に安堵する顔に満ちていた。
私はその緩んだ幹部等の顔つきを眺め見て、そうして軽く両目を瞑る。
守られたこの地と国民、そして開かれた未来への希望。
つい先程もたらされた吉報に沸くこの場。
「中継ステーション破壊後、レクイエム基地も無事に破壊、なにはともあれ、オーブは救われましたな!」
脇に居た側近の一人がそう呟き、私は目を上げた。
確かにこの地は守られたのだろう。
天使と、永遠という称号の付いた二つの船、それに乗船した多くの英雄等によって・・・!
「カガリ様?」
「その後の状況はどうなっている?」
だが、未だ戦いが終わったわけじゃない。
宙空間に現れ出てきたというZAFT軍起動要塞。
向こうの戦力はどれ程のものか計り知れないのだ。
気を緩めるのは時期尚早すぎる。
今だ戦場にて命を賭けている者等がいるのだ!
そう・・・血を分けた弟も、親しい仲間も、この国を守ろうと発って行った多くのオーブ軍兵士等も、そして・・・心を許した愛しい彼も!
眼前に映る戦況映像をジッと強く見つめ、私は宙へと想いを馳せる。
『気をつけて・・・!』そう言って見送ったあの時、この胸は本当は張り裂けそうに痛かった。
厳しい戦闘になると分かっていた。
分の悪い戦況だと知っていた。
にもかかわらず、自分は彼等を見送らねばならなかったのだ・・・。
もう、あの頃のように気持ち1つで飛び出す事は出来ないから!
『お前がすべき事は、こんな事じゃ無い筈だ!』
あの時、ダータネルス海峡にて再会したアスランに言われた言葉が強く胸に響いている。
彼は私という存在、意義、そして立場を冷静に捉え、その上で自分に説いてくれたのだ。
お前には出来る事があるだろう、と。
今すべき事は何なのか、と。
・・・私に今出来る事!
真面目で律儀な彼だからこそ、かけてくれた言葉だった。
再びの開戦を停めようと必死に也、ZAFT軍へと復隊までして、この世界の為にその身を呈したアスラン。
その事実に呆然となり、当初は裏切られたと思った時もあった。
オーブの為に宙へと上がった彼なのに、何故、どうしてだ!?と憤った時期もある。
でも違ったんだ。
お前はこの世界の為だけを想い、故にそうした。
戦いで母を、友を、父を失ったアイツだからこそ、必死だったんだ。
自分に出来る事をしようと・・・如何にも彼らしい、度が過ぎるぐらいに真っ直ぐな想いの所為だった。
・・・どうか無事に戻って来れますように!
いまだ割り切れる胸を抱えてはいない、そんな未熟な為政者だけれど!
私は此処で、お前達を信じて待っているから。
彼等の戻る場所である、このオーブを、地球を見守っているから!
だから、どうかどうかハウメアよ・・・愛しき者達に御加護を!
・・・守り石よ、どうかその身を守られたし!
祈りつつ、彼女の右手は左手の薬指辺りを自然となぞりゆくのだった。

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