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03/19/02:09  イベントにて配布した短文 アスランVer.

垣間見えたその白光に、己の胸が叫んでいた。
・・・させて堪るか!
互いに悩み悶え苦しんだこの戦闘の末路に、大切なあの地を焼かせてなどなるものか!と。
どうしようもない焦燥に駆られ、飛び立った安息の地・・・オーブ。
戦争を止めさせる為、無茶を承知でプラントへと向かった俺を、快く送り出してくれた彼女。
その尊い存在の居る場所を、撃たせてなどなるものか!
操縦桿をグッと握り締め、俺は強く思う。
・・・必ず、今度こそ守り通すのだ!


レクイエム中継ステーションの破壊に成功後、俺達はZAFT軍新型移動要塞メサイアより出撃してきたディスティニー、そしてレジェンドを含む迎撃隊と交戦した。
『アンタって人はッ・・・!』
命を預けあい、共に戦ったこともあるシン。
どうして?何故お前は分かろうとしないのか!?
戦いで失われる命の重みを知るお前が、こんな無情な行い・・・レクイエム砲でオーブを焼こうとする、そんな議長に従おうとするのか!?
――馬鹿野郎ッ・・・!
叫び浴びせた怒りの攻撃に、ディスティニー機は背後の月面へと叩きつけられていった。
戦争。
その暴力の下で、何かを失い嘆く者が居る。
・・・シン、お前にだって分かっていた事だろう?
その機体に乗り揮う力が、決して正義になど成り得ない事を!

急ぎダイダロス基地へと向かった俺とムウさんの視界の先、シールド光により守られたレクイエム砲がゆっくりと稼動を始めていた。
・・・クソッ!
『もう好い加減にしろ!何でこんな物を守ろうとするんだ!?』
憤るムウさんの声が聞こえ、暁からビームが放たれる。
辺りに散開しつつ攻撃をしかけてきていたZAFT軍のMSへと、その怒りに満ちた光線が降りかかり・・・爆散。
『キリが無い!』
急がねばならなかった。
俺達が中継ステーションを撃った後、直ぐにスペアが配置されたのだろう。
動き出した砲内!
・・・このままではオーブが撃たれる!
そんな事、させて堪るか!
強く思った瞬間、己の意識が研ぎ澄まされていった。
六感が目覚め、立ちはだかろうとするMSを一瞬で補足する!
そしてそれ等をビームで一掃すると、俺は漂う黒煙の中を突き抜け、砲内へと向かい・・・!
『気をつけて!』
シールドを潜り抜けつつ、オーブを発つ前、アークエンジェルにてそう告げた彼女の声が耳に蘇った。
今も独りきり、地球にて自分達の健闘を祈り、細いその身を呈しているのであろう。
・・・カガリ!
砲の奥から満ちてくる光。
その強靱なエネルギーに向かい、俺は鋭い眼差しを向けた。
直後に切り離したリフレクターは、真っ直ぐに砲内奥へと突き進んでいく!
爆発する光の中、俺は機体を回避、急上昇させながら、その先に思い描いていた。
柔らかに微笑み佇む、金糸髪の彼女の姿を・・・。


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