カツンとパンプスの音を立てて、彼女が目の前で突然に止まった。
僕は酔った所為もあってか、『え!?』と驚き両目を見開く。
時折ある事とはいえ、彼女のこういう突発的な行動はいつも先が読めない。
「何・・・?どうしたの、ラクス?」
「あ・・・いえ。ふと、思いましたの。」
「え?」
『何が?』と尋ねたくなった衝動を堪えて、僕は手からずり落ちそうになったピンク色の紙袋2つをグイッと持ち直した。
中には一体何が入っているのだろうか?
ヤケにずしりと重みのあるその袋は、他の参列者達とは違い特別に大きなサイズのものである。
「キラは、どちらだと思います?」
「どちらかって・・・??」
「アスランがカガリさんを引っ張っていくのか?それともカガリさんがアスランを引っ張っていくのか?」
「・・・。」
先程幕引けとなった、自分の肉親である妹(自分はそう思っている)の結婚式。
そのブーケトスにて次なる花嫁の座を見事獲得した彼女は、桃色の髪をフワリとなびかせつつ自分を見つめてきた。
柔らかな桃の花をイメージさせるそのシルエットが、酷く機嫌良さ気に揺れているのは気の所為ではないだろう。
「どちらだと思います?」
「うーん、そうだね・・・。」
ヤケに嬉しそうなその顔に、僕はもうただ困惑するしかない。
そのまるで夢みるような顔つきにただひたすら気づかぬフリを決め込み、もう一度『よいしょ』と紙袋を抱えなおした。
そうして改めて彼女の問いに頭を悩ます。
カガリが上か?それともアスランが上か?
新郎の幼馴染であり大親友でありなによりも同性である自分としては、『彼の方』に軍配を上げたい気がした。
たが、実際の彼等を見てきた上での意見を述べるとしたらば・・・?
「・・・僕には、分からないな。」
「あら?」
「だって、あの二人は、二人で一つみたいなところがあるし・・・ね?」
「あらあらあら?まぁ?」
僕の返答に、彼女は酷く意外な顔つきをした。
そうしてその桜色の唇に、片手をソッとあてがう。
「キラは、カガリさんの御味方かと思いましたのに・・・意外ですわ!」
「いや、別に味方とかそういうのじゃ・・・。」
「でも。結婚前のアスランには、酷く冷たかったじゃあありませんの?」
「・・・あれは、ね。何となく・・・さ。」
鋭く突っ込んできた彼女に、僕は気不味さを感じで顔を背けた。
そうして明後日の方向を向いたまま、先を急ごうと言葉を紡ごうとして・・・。
「私、亭主関白にだけはならないだろうな・・・とは思いましたの。」
「・・・え!?って・・・はぁ!?」
「アスランは、『俺について来い!』と口では言いつつも、実際には相手に合わせるでしょうから・・・。」
彼女の口から飛び出したとんでもない言葉に、僕はもうただ唖然とする。
亭主関白って・・・ラクス?
一体、君は何が言いたいのか??
・・・僕にそうなるな・・・と?
彼女の言葉に、そんな妙な先入観が頭の中で働く。
「夫婦が幸せである為には、互いが互いを重んじなくては・・・!」
「・・・。」
「この花たちのように・・・ですわ!」
手にした色とりどりのブーケを見つめながら、そう呟いた彼女。
男である僕には、将来の約束を急かされたようでやや気が重くも感じたのだけれど・・・。
「まぁ・・・うん。そうだね。」
先程見た妹と親友との幸福の図。
それを思い出せば、目の前の愛しい彼女の戯言も可愛く思えて。
僕はソッと微笑み返し、彼女の白く柔らかな手に己のを軽く添えたのだった。
結婚式に行ってきた勢いで書いたキラ主役の短文です。
果たしてオーブでの結婚式に引き出物があるのかどうか・・・?
(その辺は突っ込みなしで^^夜露死苦w)
いやはや、何度参加しても結婚式とは良いものですね!!
遠い親戚のモノながら、本日は何度か泣かせてもらってきましたw
だって、『敬老の日ということで、ハッピーサプライズをおばあちゃんに・・・!』と花嫁が祖母の手に引かれて中座する場面とか!!!!
もう、ありえないぐらいに感動しましたvvv
『おばあちゃんから、何か一言花嫁にメッセージを・・・!』と司会者の方が言われて、そこでおばあちゃんが花嫁に対して『とにかく・・・おめでとう!そして幸せに・・・でも、辛抱はしなあかんよ!』と、昔の人ながらの言葉を贈る姿に、また涙が・・・wwww
あああ・・・本当に良かったvv
また行きたいデス・・・うふふ。
(でも、ご祝儀代は高い・・・なぁwww)
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