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10/18/07:58  花橘 ~その後の怪談14~

こんにちは。
お久しぶりの更新です。
ここの所、ちょっとバタバタしてまして、中々続きが書けずにいました。
寒さが加わったのもその一因で、どうにも夜になるとお布団が恋しくなってしまうという。
本当にごめんなさい、今回はほんの僅かしか進展してません!
でも残り僅か、出来る限りテンポ良く更新していきたいです!





このお話は、以前サイトの方で連載をしていた、アスラン×カガリが主役である、平安時代設定パロディー小説『花橘の重ね』のその後になります。
視点は陰陽師であるスティング・オークレー。
彼が依頼されたのは、今の世を騒がせたザラ家の子息。
その伴侶となった姫君を、深い眠りの底から蘇らせる事だった。






人の念とは、時に深くおぞまじいものだ。

相手を妬み羨む余りに、心は澱み、やがて鬱積されたその思いが怒りとなって身を焦がす。

彼・彼女さえ居なければ!

そんな風に考えてしまうのは、誰しもが持ち得る心の弱さであり、我が身可愛さ故だろう。

だが人を呪わば穴二つという言葉があるように、呪術とは諸刃の剣。

その思いが意識を支配、相手の崩壊を真に願い、呪詛を仕掛けてしまったその時から、不運は願った者にも繋がり影響を及ばす。

そう、呪術には強い念の痕跡が残るのだ。

・・・今、その者を突き止めてやる!

スティングが唱えた術に反応して、式神アウルの姿が変化していった。

それは見事な毛並みをした狐へと。

その白金色をしたその体毛は何処か青白くもあり、非常に稀有な光沢を放って見える。

『アウル。』

『あぁ、分かってる。辿れば良いんだろ?』

『出来れば仕掛けた術者の方もな。』

『あぁ、はいはい。』

まったく、面倒臭いな。

しなやかな獣の身となった式神は、捻くれた言葉を零しつつも命に従う。

更なる術を施したスティングの元、亡者・・・ステラなる彼女は苦しげにその身を折った。

その肩口、先程一閃されて不可解に消え去っている一部分へと、アウルは身を寄せる。

尚も唱え続けられる術に、ステラは膝を落しもがく様に首を振る。

「ステラ!?」

突然の出来事に、姫の叫び声を上げた。

だが駆け寄ろうとしたその身は、式神アウルの手前、其処に張られた目に見えぬ壁によって阻まれる!

「何だ、これ!?」

ダンッと両手を宙に押し付け、姫は大きく目を見開いた。

「ステラッ!?」

しかし更なる衝撃的場面を目にして、姫は息を呑んだ!

何故ならば、屈みこんだステラの元、歩み寄っていた式神アウルが変化した獣が、鋭くその肩先へと喰らいついたからだ!

瞬間、嗚呼と痛みを訴えるが如くステラの身が跳ねた。

次いで弛緩していったその身は、横にゆっくりと倒れこんでいく!

「ス・・・テラ?ステラッ!?」

混乱し、姫はただただ叫んだ。

もはや倒れこんだまま、ピクリとも動かなくなったその亡者を、何とかして呼び覚まそうと声を張り上げる。

「ステラッ!?ステラッ!?」







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