こんにちは。
お久しぶりの更新です。
ここの所、ちょっとバタバタしてまして、中々続きが書けずにいました。
寒さが加わったのもその一因で、どうにも夜になるとお布団が恋しくなってしまうという。
本当にごめんなさい、今回はほんの僅かしか進展してません!
でも残り僅か、出来る限りテンポ良く更新していきたいです!
このお話は、以前サイトの方で連載をしていた、アスラン×カガリが主役である、平安時代設定パロディー小説『花橘の重ね』のその後になります。
視点は陰陽師であるスティング・オークレー。
彼が依頼されたのは、今の世を騒がせたザラ家の子息。
その伴侶となった姫君を、深い眠りの底から蘇らせる事だった。
人の念とは、時に深くおぞまじいものだ。
相手を妬み羨む余りに、心は澱み、やがて鬱積されたその思いが怒りとなって身を焦がす。
彼・彼女さえ居なければ!
そんな風に考えてしまうのは、誰しもが持ち得る心の弱さであり、我が身可愛さ故だろう。
だが人を呪わば穴二つという言葉があるように、呪術とは諸刃の剣。
その思いが意識を支配、相手の崩壊を真に願い、呪詛を仕掛けてしまったその時から、不運は願った者にも繋がり影響を及ばす。
そう、呪術には強い念の痕跡が残るのだ。
・・・今、その者を突き止めてやる!
スティングが唱えた術に反応して、式神アウルの姿が変化していった。
それは見事な毛並みをした狐へと。
その白金色をしたその体毛は何処か青白くもあり、非常に稀有な光沢を放って見える。
『アウル。』
『あぁ、分かってる。辿れば良いんだろ?』
『出来れば仕掛けた術者の方もな。』
『あぁ、はいはい。』
まったく、面倒臭いな。
しなやかな獣の身となった式神は、捻くれた言葉を零しつつも命に従う。
更なる術を施したスティングの元、亡者・・・ステラなる彼女は苦しげにその身を折った。
その肩口、先程一閃されて不可解に消え去っている一部分へと、アウルは身を寄せる。
尚も唱え続けられる術に、ステラは膝を落しもがく様に首を振る。
「ステラ!?」
突然の出来事に、姫の叫び声を上げた。
だが駆け寄ろうとしたその身は、式神アウルの手前、其処に張られた目に見えぬ壁によって阻まれる!
「何だ、これ!?」
ダンッと両手を宙に押し付け、姫は大きく目を見開いた。
「ステラッ!?」
しかし更なる衝撃的場面を目にして、姫は息を呑んだ!
何故ならば、屈みこんだステラの元、歩み寄っていた式神アウルが変化した獣が、鋭くその肩先へと喰らいついたからだ!
瞬間、嗚呼と痛みを訴えるが如くステラの身が跳ねた。
次いで弛緩していったその身は、横にゆっくりと倒れこんでいく!
「ス・・・テラ?ステラッ!?」
混乱し、姫はただただ叫んだ。
もはや倒れこんだまま、ピクリとも動かなくなったその亡者を、何とかして呼び覚まそうと声を張り上げる。
「ステラッ!?ステラッ!?」
[5回]
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