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02/19/09:43  バレンタインデーも終わり・・

先週末から日曜日まで、色々と用事が立て込んで、精神的にも肉体的にも消耗しておりました。
そう、女の子にとっては嬉し楽しいチョコ菓子作りの時期!
ですが親になるとその下準備に追われる身(苦笑)
材料集めに始まり、製作、そしてラッピング・・・と楽しげに作っている娘たちを見ながら、大きくなったもんだな~なんてしみじみしつつ、やはり溜息の一つも出るというもの。
今年は14日の前日に授業参観とか、翌日に子供会で出動しなければならなかったりで、いつ何をどこまで作っておくべきか?
お姉ちゃんと妹とで作りたい物、用意する数も違う。
出来る限り節約しつつ、仕事の帰りに買い物して・・・無事に行事も終え、出来たお菓子を配り終えた後、日曜日の夜は達成感のおかげでハイになっていたのですが、翌日の月曜日の晩は猛烈な疲れがやってきました。
半分眠りながら洗濯物を干して、よろよろと布団に向かいバタンキュ~(笑)。
楽しかったけれど、やはり疲れたバレンタインデー。
ふふふ、オチとしては旦那さんには購入したチョコを渡しそびれ(ごめんね~)、疲れの余り自分でそれを食べたという・・・(酷い?)。
今度のホワイトデーにでも、しっかりと何かをプレゼントしようと思っています。

さて、以下は拍手コメントへの返信となります。

☆2月19日 匿名希望の方へ
(特に読まれても構わない内容ですが、一応↓↓反転しておきます)
まずは温かいお言葉、ありがとうございます!
自分がちょくちょく訪れているサイト様にコメントするのって、やはり勇気が要りますよね^^
でもその人なりの心が伝わるコメントとか頂けると、『うわ~、ありがとうございます!!』と胸の中が熱くなります。
これからも、良ければお気軽に一声どうぞ!
それから消失したサイトの小説についてなのですが、ログと私は何度も書いていますが、実際は無料のホームページ作成元、そのサーバー自体が突然消滅(つい数ヶ月前に)した状態です。
これまでもシステムメンテナンスなどで、長時間に渡り接続不可能な状況があったりしたので、今回もそうだろう・・・と安易に思っていたのが、1週間、2週間、そしてひと月して唖然呆然。
全くサイトに繋がらず、右往左往した挙句、YAHOOの掲示板にて同じ様に困惑して見える方々を発見。
其処での皆様が、サイトは(何の予告もなく)消滅したのだろうと話してみえるのを読んで、『ああ、やっぱりか!』と、ようやく痛い現実を受け止めた次第です。
そして、これがログに当たるのかどうか?
分からないまでに言葉を使っていました。
すみません。
てんで疎い奴ですが、これでも可能なのでしょうか?
もし宜しければ、またお返事お待ちしております。


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02/08/01:20  見つけた小説を再UPしました!

去年に喪失したサイトにて掲載していた小説で、他の小説サイトに転載していたものを、小説部屋へとUPしました。
本当ならば、ログを取る為にもと作成した携帯用小説サイトだったのですが、生来の面倒臭がりな性格が災いして、転載していたのは数話だけでした。
しかも自分が『これは!』という長編物は一切なし。
あああ・・・『花橘の重ね』だけでも、ログを取っておけばよかった。
いや、途中まではあるのですが(製本した為)、最終章がまるまるログが無い。
あれを書き直すのは、正直しんどい(岐阜弁?標準語でいう『大変で辛い』?)・・・です。
まあ、心機一転、失くしたモノはしょうがない!
色々とやるべき事が増える事確実で、これから小説を上手く書いていけるか不安が内心あったりしますが、逆に脳内にアドレナリンみたいなのが出ているんですかね?
今は頭の中が冴えている気がします。
本編沿いの空想話が脳内で巡り巡る・・・。
 
そういえば、昨晩ふと覗いた某アスカガサイト様にて、実に悲恋なお話を読んで胸を打たれたりもしました。
なんて泣かすお話なんだ!と。
もうね、痛々しいほどのすれ違いと、どうしようもない後悔が襲うアスカガ話で、ぐずぐずと鼻を啜りながら読ませて頂きました。
それから(何故か^^)某アスキラ漫画サイト様へと辿り着き、其処で男性SEEDキャラ総出のヨーロッパ戦争モノを読んで胸を打たれ(だって、最後にアスラン戦死しちゃうんです><)、ぐるぐると色々なサイト様を巡っていたりもして。
SEED/DESTINY萌え補充中。
しばらくは色々と頑張れそうな気がしてます(笑)

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02/06/11:26  寒い・・・!

こんにちは。
大変に寒い日が続いていますね。
毎日の愛犬の散歩が、ちょっとしんどい・・・そんな2月初旬です。
実は間もなく、某役員を引き継ぐ事になっておりまして、今は気持ち的に身が引き締まる思いでいます。
しかし何と言っても、私はプレッシャーに弱い。
パート先の飲食店でも、団体様がみえると直ぐに焦ってしまう!
きちんと役員として務められるよう、願掛けついでに、お正月はしっかりとお参りにいこうと思っていたのに、クリスマス頃に職場にて旦那さんが拾ってきた風邪菌にやられ、一家全滅。
結局、お正月休みの間中、私と娘達は全快できませんでした。
そしてお参りも、何だかんだしているうちに、今だに行けていない。
嗚呼、2015年は波乱の幕開けです(汗)
うーん、嫌な予感・・・。
でも、頑張りますよ!
 
さて、遅ればせながらブログ拍手にコメントを下さった方々へ!
☆むかっち様
☆えみふじ様
☆mixri様
☆ふにきち様
☆匿名希望の方
お言葉ありがとうございます!!
反応遅くて、本当に申し訳ないです!
コメントを読ませて頂いた時、心の底から嬉しく思い、PC前で独りにやけていました。
今後も宜しければ、お付き合いの程お願いいたします!

さて、今回は同時に小説もUPしております。
興味がある方は、一つ下↓↓の記事へとどうぞ!

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01/29/15:27  緑の芽 2

走る車窓から街を眺める。
此処はアジア圏の中、地球最古とも云われる文明が生まれた地だ。
一種独特な雰囲気が漂う、近代とそれ等が交じり合った不思議な国。
「アスハ代表、御覧下さい。あれが近年、わが国が推移を集めて建設中のエネルギー供給タワーです。」
同乗しているこの国の外務大臣一等補佐官が、得意そうな顔つきでそう述べた。
そんな彼を見やり、それから指差された方角へと顔を向ける。
目にした構造物は、見事な迫力で天へとそびえ立っていた。
一見すると塔というよりも、それは空を支える柱のようにすら見える。
「あれが完成した暁には、広大な我が国の末端にまで、多くの資源が行き渡るようになる筈です。」
戦時中程ではないものの、今も叫ばれている燃料資源不足。
ありがたい事に、我が国オーブは天然資源に恵まれている為、これまでも然程苦難はなかったが、多くの国では様々な手法を用い、此れを克服しようとしている。
地域によって気候が異なるこの国は、厳しい冬を越す為にも、これ等の建設が急がれているのだろう。
 視界の中、チラチラと舞い落ちる雪。
此処、首都より北方に位置する地域では、更に凍てついた寛厳の地と聞く。
この寒さは、暖を取れなければ命さえも奪われかねない脅威だ。
「勿論、国防という点も兼ね添えた、将来の我が国の象徴です。」
「成る程。」
「目下、あれの最適なる呼び名を考案中でして・・・。」
『天使塔』という名前が、現在の第一候補となっております。
静かな車内、彼の凜とした声が行渡る。
それはまた、何とも厳かな呼び名だな。
胸の内でそう思い、軽く頷きながら両目を細めた。
願いどおりに、あのエンジェルタワーがこの国に多くの恵みを与える物となれば良い。
先程『国防』という点も兼ね添えたと言った彼に、一抹の憂慮を覚えつつ、オーブ国元首である彼女・・・カガリ・ユラ・アスハは、再び建設途中の塔を見つめた。
 
  
    
   
   
歓迎の為に催された晩餐会を終え、この国の高官等が用意してくれた宿泊用の豪邸、その一室へと足を入れる。
自国を出てから早4日目。
今回のアジア歴訪は、残り後2日の日程である。
身に付けていた大振りのイヤリングを外しつつ、フーッと大きく息を吐いた。
「お前達もご苦労だった。明日も朝早くから慌しいが、宜しく頼む。」
警護してくれている者等に向かいそう述べて、傍のソファーへと腰を落とす。
優秀な彼等は、短く『はい』と答えると素早く部屋から出て行った。
ドアが閉まったのと同時に、羽織っていたコートを肩から落とすと、彼女は履いていたハイヒールも足からもぎ取る。
「何か温かい飲み物が欲しいな。」
そして侍従に頼むような目線を向けると、首に付けていたチョーカーを外した。
連日の日程、そして何よりこの国の寒さに疲労感は否めない。
 「少しお酔いになられましたか?」
壁際、紅茶を入れる用意をしながら述べた侍従に、彼女は微かに頷いて見せた。
「あぁ。しかも乾杯の一杯だけでな。」
どうにもフワフワとする意識を、頭を振る事で取り成そうとする。
しかしやはりそれでどうにかなるわけでもなく。
「頼む、濃い目に淹れてくれ。」
彼女は気心知れた侍従へと向かいそう要求した。
すると『畏まりました』という声と共に、歩み寄ってきた気配。
そして『失礼します』と言って触れられた額。
侍従の目は訝しげに顔を覗き込んでいる。
「もしやとは思いますが、お風邪を召されたのでは?」
「いや。少し酔いが回っただけだろう。」
彼女はそう言って強気に微笑んで見せた。
だがややして『念のために、風邪薬は飲んでおこうかな』と付け加えた。
これに侍従は『分かりました』と答え、機微良く動いていく。
その遠ざかっていく気配を耳にしつつ、彼女は静かに首を回す。
「アラタも、今日はご苦労だったな。」
お前も疲れただろう。
見やった先は室内の一角、其処に今だ残っている一人の男が居た。
彼は優秀な自分の補佐官であり、実に頼れる存在だ。
だが幾分真面目すぎるきらいがある。
まるで何処かの誰かさんのようだなと、そんな風に思いながら・・・。
「どうした?」
何故か憂い顔で此方を見つめている彼に、彼女は小首を傾げた。
 「いえ・・・その。エスコート役を請けおっておきながら、カガリ様のご不調に気付けず申し訳ありません。」
穏やかながら、いきなりそう言って頭を垂れた彼。
「アラタ?」
「私がもう少し配慮出来ていれば良かったのですが。」
一瞬何の事だか分からず、彼女は目を瞬いた。
だがどうやら先程の侍従との会話を聞いて、自分が至らなかったと思ったらしい。
「考え過ぎだ。さっきも言ったように、単に少し酔っ払っただけだ。」
お前が其処まで責任を負う必要は無いぞ?
私はハッキリとそう述べ、彼を見つめた。
年齢は自分より2つも若い。
しかしこの歳で代表補佐官の任を得ている、 官僚内一の出世頭。
更にはオーブ氏族の血筋をも引いた、正に非の打ち所の無い存在。
そんな彼だからこそ、公式な場・・・今日のような訪問国での晩餐会にて、自分のパートナーとしてエスコート役を務める事が許されている。
というか、寧ろ政財界の古狸共などは、アラタと共に居る方がオーブの為であるとか、そんな事を言う奴まで居たりしてだ!
「そんな事よりも、例の暴動はその後どうなっているか分かるか?」
モヤっとした意識を振り払うように、彼女は話題を気になっていた事柄へと変えた。
これに一瞬間を置いた後、何処までも優秀な彼は凜とした声で答えだす。
「南アフリカ共和国での事ですか?」
「あぁ。」
「情報によれば、今日は軍が暴動者等を強く抑圧しようとしたものの、暴動に乗じた愚民が、一部で店舗や家屋へと押し入り略奪、放火などを働き、無秩序な状態になっている模様です。」
本当に、抜かりの無い奴だ。
今日は朝から共に各地を訪問、最終的に晩餐会のエスコート役まで請け負っていたというのに、何処でどう情報を得ていたのか。
感嘆しつつ、耳にした状況を重く受け止める。
「交渉の方はどうなっているんだ?上手くいっているのか?」
「はい。万事順調というわけではありませんが。とりあえず現地に飛んだレドニル・キサカ一佐によれば、保護すべき弱者、婦女子と老人等への救済の手は、近隣の国々が行ってくれているとの事。」
「そうか。」
「暴動の引き金となった要因へも、それぞれ裏から手を回し鎮静に向けて働きかけている最中です。」
・・・間に合うだろうか?
ふと彼女の胸に不安が込み上げた。
悲劇に悲劇を重ねさせたりはしない!
そう口にしたのは自分で、実際にそうするつもりだ!
だがもう残り2日で、危惧すべき日が訪れる。
既に数ヶ月も前から組まれていた公務、この歴訪を途中放棄するわけにもいかない現状。
今は自分を支えてくれている有能な者達に任せ、各方面から暴動を鎮火へと導く事に専念している。
落ち着かない胸の内、疲れも相まって彼女は両目を瞑った。
途端に浮かび上がってきたのは、懐かしさと同時に痛みすら覚える、北アフリカの砂漠の町・・・タッシルでの記憶。
あそこで生きている者達は、皆生に溢れ逞しかった。
乾燥した大地で生きるには過酷な場所、だが共に過ごす内に、文明社会が忘れている何かを思い出させてくれる、そんな所。
そうして亡くした友の事をも思い出す。
・・・アフメド、お前はどう思う?
あの頃の自分は、どちらかというと反コーディネーター寄りな思考であった。
それは地球に住まう者として、各地で起こっていた非情なる状況を引き起こした原因がニュートロンジャマーなる兵器であり、それを地球各地に埋め込んだのはプラント、コーディネーター達であったからだ。
一方だけを知り、他方を知らぬ若気の至り。
町を焼き、人々を制圧するZAFTが憎いと思った!
そしてお前を殺したアイツ等が許せないと、ただただそう思っていた!
だけど、今ならば分かる!
あれは全て戦争が引き起こした悲劇の連鎖だったんだ。
脅かされた失った命と、その憎しみの渦に、誰もが呑まれていたんだと。
その脅威も去り、ナチュラルもコーディネータも関係無い今!
誰しも一回きりの命。
憎しみに憎しみを重ねれば、それは更なる哀しみを生むだけの道となってしまう!
だから!
・・・お前ならば、きっと分かってくれるよな?
きっと南アフリカ共和国にて動乱を起こしている者達もまた、受けた悼みに心が流されているのだろう。
彼女は胸の中で強く思う。
間もなくに迫ったXデイ。
焦りはあるが、救いもある!
少なくとも、裏で糸引く、そんな輩が居るという情報は未だ入って来ていない。
だからどうか、このまま無碍に血が流れたりする事なく暴動が収まれば良い!
どうか、どうか・・・!
「カガリ様?」
ハッと気付けば、目の前にアーモンド色の瞳があった。
ソファーへと座る自分の手前、膝を付き心配気に自分を見つめているのは、側近の男。
「アラタ?」
「大丈夫ですか?」
やたらと近い距離に居るソイツに目を見開き、彼女は『あぁ』とはにかんだ。
そして『すまない、ちょっと考え事をしていた』と口にする。
「本当に大丈夫ですか?」
神妙な面持ちで尋ねてくる彼。
「いや。大丈夫だぞ。」
これに微笑みつつそう述べれば、彼は幾分安堵したようだった。
どうにも心配性な奴である。
だがそのまま、自分を見つめ一向に動かないアラタに、今度は彼女が小首を傾げる番だった。
「その、アラタ?」
真っ直ぐなアーモンド色の瞳は、不思議な気配を感じさせるよう。
何だろう?
迫り募るようなその目に、思わず知らず息が詰まる。
「貴女の御心は、皆も分かってくれている筈です。」
「あ、あぁ。」
「ですから、どうかそのように眉間に皺を寄せて、お独りで悩まないで下さい。」
そんなにも酷い顰め面をしていたのだろうか?
彼の言葉にそのように思いつつ、妙に胸がざわついた。
いや、これはこの片膝を付いた状態で見上げられているからだろう。
まるで物話に出てくる騎士の如く、恭しく自分を見つめるその瞳!
何かこの場の雰囲気を変えるべく口を開こうとしたのだが、如何せん舌が乾いている上に、上手く頭も回らない。
ゆっくりと口元だけが動き、けれど声にならず。
内心困惑しつつ、彼女も彼も互いをジッと見つめて・・・!
だが刹那、この場に『カガリ様?』という少し低目の声音が届いた。
パッと見やれば、ドアの所に侍従が立っていた。
折良く、風邪薬か何かを持ってきてくれたのだろう。
そして一瞬後、侍従はズカズカと歩み寄ってくると、何故か呆れたような眼差しでもってカガリを見つめた。
そして手にしていたガウンを、彼女にガバリと被せる。
「幾ら室内とはいえ、その様な格好のままではお身体が冷えます!」
「え?あ、あぁ。」
「全く、何をしておみえなのだか!」
そして有無を言わせぬ口調でもって、今度は補佐官たる彼に告げた。
 「アラタ様も!ご報告が御済になられたのでしたら、もうそろそろ宜しいでしょうか?」
 この剣幕に唖然となり、彼もすっかり気圧される。
「す、すみません。これは、本当に気がつかず!では、私はこれにて失礼いたします!」
「あ、ああ。今日は色々とご苦労だったな!」
また何かあれば、直ぐに報告してくれ!
そう述べて、去り行く彼を見送る。
正に嵐の如き顛末。
やがて一礼をしつつ、そそくさとドアへと向かっていった彼。
 扉が閉まる音と共に、室内に沈黙が落ちた。
ゆっくりと見やった侍従は、まだ何か言いたげな眼差しのまま、ジッと座る自分を見下ろしている。
その目に動揺をしつつも、彼女・・・カガリは口を開いた。
「ええと、紅茶は?」
侍従の怒りが何処にあるのか分からなかったが、とりあえずかわす手段に出た。
掛けられたガウンから、何を言いたいのか分からなくも無い気もしたが・・・。
「とりあえず!これをお飲み下さいませ!」
差し出されたのは、トレーの上に乗った綺麗な白磁のカップ。
口調からしてまだ穏やかではなかったが、『ありがとう』と言ってそれを受け取った。
だが?
「ん?これは・・・?」
「漢方薬です。この辺りの地で採れる、生薬というものです。」
「生薬?」
戸惑ったのは中身の色だけではない、鼻に感じられる匂いにもだ。
「何故に漢方?紅茶は?」
いきなり持ってこられても訳が分からない。
疑問一杯な気持ちで侍従を見やればだった。
「先程、風邪薬をと仰られたので。」
「それはそうだが・・・?」
「万が一の事も考えて、漢方薬に致しました。」
全くもって理解が出来ず、彼女は手にした温かい白磁のカップを見つめ当惑するばかり。
どうして風邪薬ではなくて、漢方なのか?
「万が一の事って?」
引っ掛かりを覚えた部分を口に出して問えば、侍従は自分の首元をソッとトントンと指で指した。
「失礼ながら・・・此処に殿方からの寵愛を受けた印をつけた方が、こういう事に疎いのはどうかと思いますよ?」
「え?」
「頭がボーっとすると仰られていましたし、もしかしたらそういう兆しかもしれません。」
ですから、無闇に御薬を口にしてはいけません!
淡々と自分に向かい説く侍従に、彼女は自分の首元に残る痕を片手で押さえ目を瞬いた。
侍従が言っているのは、今回の歴訪に向かう前日の夜、愛しい人から付けられた物の事だろう。
自分では気付かず、ドレスを着る段階となって初めて指摘され、おかげで当初着る予定だった物から、首元が隠せるタイプの物に変更を余儀なくされたのだが?
ややして顔がカァと熱くなる。
いや、寵愛を受けた印って!?
確かに、此処の所やたらと眠気が襲うし、ちょっと身体が可笑しいような気もしてはいるけれど?
自分が妊娠した可能性もある、と?
「滋養強壮にも良いという話です。さあ、どうかグイッとそのお飲みください。」
畳み掛けるように奨められて、私は戸惑いつつもカップを口元へと持っていった。
ここの所感じていた眠気やだるさ、それ等がもし!
もしも本当に、私と彼・・・アスランの子供が出来たからだとしたら!?
「う・・・何とも言えない味だな。」
覚悟を決めて半分程飲んでみた。
良薬口に苦しとは言うが、やはり飲み易い代物ではなかった。
思わず顔を顰め、侍従を見やれば?
先程までの怒りも幾分薄れたのか、その顔は穏やかさを戻していた。
これにホッとしつつ、残りも一気に飲み干す。
「うぁ・・・駄目だ。頼む、今直ぐ紅茶をくれ!」
だが舌に残る後味の悪さに、彼女は居ても立っても居られず侍従へと向かいそう述べた。
すると何故か細い目つきをしながら、告げられた言葉!
「紅茶ならば今直ぐにお持ちいたしましょう。けれど!」
「っ・・・けれど何だ!?」
ジッと強く見つめてきた侍従に、彼女は動揺しながらも耳を委ねる。
侍従はコホンと咳払いを一つした後にだった。
「そのように肌が露な状態で、他の殿方と二人きり、無防備で居られるなど許し難い事です!」
「え?」
「これ即ち、アスラン様を裏切る事にもなりかねませんよ!」
カガリ様、宜しいですか?
そう言った侍従に、一瞬ポカンとなった。
だが確かに、慣れ親しんだ間柄とはいえ、アラタの手前少しラフで居過ぎたのかもしれないと、そんな風に思い至る。
だから彼女は頷き、そして強く了承をした!
「分かった!分かったから!」
頼むから、早く紅茶をくれないか!?
彼女は顰め面で侍従へと向かい催促をしたのだ。



やがて侍従も去り、彼女は独り豪華なベッドの上で通信端末を操作する。
自国からの様々な連絡、そして明日の予定を確認、そのどちらもを頭に入れた後、ようやく身を横たえた。
酷く疲れているのは確かだが、それでも、晩餐会終了後の妙な浮遊感は失せている。
そして何より、当初この国の余りの寒さに感じていた手足の先の冷え。
それが何故か今は感じられず、寧ろホカホカと、体の奥から暖かさが込み上げてくるよう。
「これは生薬のおかげか?」
顔の前に両手を掲げ、何気に見やった。
掌から甲へとひっくり返せば、目に入ったのは左手の薬指、其処にあるシンプルなシルバーのリング。
そして遠く南方の自国に居る夫・・・アスランの事を想った。
アイツは今頃、何をして居るだろうかと。
やがてゆっくりと両手をお腹に宛がう。
此処にもしも、彼の子供が居るとしたら?
忙しさにそんな予想をしていなかったが、言われて初めて込み上げる感情があった。
それは大切に守りたい、いや守らねばならないという想い!
今は未だ居るかどうかも分からないが、それでも、いつかきっと、此処に彼の子供を宿したいと思う気持ちはあるのだから!
「その為にもだ。」
そっと両目を瞑る。
その先に見えるのは、乾いた砂漠の大地。
笑う民の顔も其処にはある。
『カガリ!』
叫ぶ懐かしき声も聞こえる気がした。
時を隔て、熱い大地にて繋がった友の姿。
彼女はそんな彼の名を叫び、探しだす。
そしてゆっくりと、意識を夢の中へと沈ませていったのだった。
 

拍手[17回]

01/28/15:55  緑の芽

2015年、あけましておめでとうございます!!!
間もなく2月に入ろうという頃ですが、皆様、良いお正月を迎えられたでしょうか?
大変ご挨拶が遅れましたが、今年も自分なりに小説をUPしていこうと思っていますので。
どうか宜しくお願いいたします!!

・・・ということで、今年まず初めのSSをひとつ。
本編以後の妄想話です。
アスランとカガリ結婚後の設定です。
興味のある方は、↓へどうぞ~♪








ある日突然、彼女のデスクの上に小さな小鉢が乗っていた。
それはいたって普通の、何処にでもありそうな代物。
思わず小首を傾げ見つめたものの、未だ何も生えていない、唯の土くれが覗けただけ。
時は早朝、持ち主であろう彼女は今だ眠りの中である。
フムと独りごちて、とりあえずその前を通過、クローゼットの方へと足を運んだ。
日課としているトレーニングを終えて、汗を流す為にシャワーを浴びた後である。
ガウンを抜いでインナーを身につけ、パンツに足を通した。
鏡の前で簡単に身なりを整えると、再び足を戻し、小鉢の乗ったデスクの前をゆっくりと通り過ぎ・・・大きなカウチソファーへと腰を落とした。
その脇に用意されてあるのは、珈琲一式。
アスハ邸の侍女達は、毎朝、これを用意しておいてくれる。
上質で芳しい匂いが、ポッドからカップへと注ぐ彼の鼻へと心地良く香った。
同じく脇に置かれた機器を手に、カップを引寄せる。
そして画面に表示された現在の世界速報へと、素早く目を通していった。
緊張と緩和。
まるで波の如く、静と乱とを繰り返す世界情勢。
刻々と動いていく時の中、情報はより早く得た方が有利に働く。
「南アフリカ共和国圏内で再びの暴動か・・・。」
元々は大小様々な民族国家があった場所だが、第一次大戦のエネルギー不足にて大規模な国家統合が行われたのだが、内情は余り上手く無かったようだ。
異なる民族感情が大元にはあり、其処に付け居るようにしてはびこったブルーコスモス寄りの組織によって、今も根強い反コーディネーター思想が渦巻いている地域でもある。
そして暴動の旗となっているスローガンを目にして、思わずカップに口を付けたまま動きが留まった。
『遺伝子を操作してまで生まれた、技巧品なる人間。奴等による非情な惨劇を忘れるな!』
コトンと音を立ててカップを脇に置くと、ゆっくりと目を瞑った。
これは・・・恐らく、U7落下の被害を指しているのだろう。
ずっと胸にある想い、今更だとは分かっていても消せない悔恨だ。
否応無く思い出されてきたのは、数年前、宇宙空間内での事。
U7の地球圏落下という、あのあってはならなかった大災害を阻止しようとして出来なかった自分。
あの時の光景が、脳裏にまざまざと蘇ってくる。
もしあの時、落下を阻止できていたならば!?
自分は多くの命を救えたかもしれない!
胸の奥からジンと凍てつくような感覚が広がっていく。
無慈悲に奪われた命、それを受け入れる事も出来ず咆哮した事のある自分自身が、記事の向こう側、遠い南アフリカという地で嘆く少年の姿に今重なりゆく。
忘れてはならない苦しみに、彼・・・アスランは深く深く息をついたのだった。
 
 
 
 
「今日は朝から官邸にて臨時の閣議があるから。」
焼きたてのロールパンへとバターを塗りながら、話す妻。
共働き夫婦なだけに、朝は大方こんな会話だ。
「ああ。俺も今朝は軍部にて簡易的な会議が入っているな。」
頷きながら、自分もパンに手を伸ばす。
独身時代は朝食は専ら珈琲のみ、非常に偏りがちな食生活を送ってはいたものの、結婚して以来、取れる時にしっかりと食事を採る様になっていた。
最初は付き合いがてらだったものが、次第に習慣へとなってきたらしい。
緊急を要する事態でなければ、朝食を共に採る。
これは夫婦となった後、自然と為している行為だ。
顔と顔を合わせて話をする、そんな単純な事ですら中々難しい。
ともすれば互いに別々の時間を過ごす事の方が多い自分達だけに、早朝の僅かな間であれど、これは非常に貴重な時間である。
とはいえ、責務と時間に追われ、互いの話が上手く噛み合わない事も多々アリ。
まだ挙式から1年と半年しか経っていないというのに、自分達は既に熟年夫婦のような会話だったりもするのだが。
「帰りも、いつもより遅くなると思う。」
「あぁ。」
「でもって、明日の昼過ぎからは・・・。」
「アジア歴訪だろ。分かってる。」
彼女のスケジュールは、簡単にだが頭に入っている。
急な事態に対応すべく、夫としても、国を守るべき軍幹部としても、これは重要事項である。
「それよりも、南アフリカ共和国の件は耳にしているか?」
「ん。」
「間もなく14日だ。時期的にも、何となく不穏なものを感じずにいられないな。」
今朝の速報でも目にしていた事柄を口にすれば、彼女の目も細く厳しくなった。
其処に感じられるのは憂いと、それから労わり。
「そうだな。もう直ぐ、あの日か。」
「プラントでは大規模な慰霊祭が行われる。それに同じて、挑発的な行動を起こす輩が出てくるかもしれない。」
「うん。」
2月である今、南半球に位置するオーブは夏の盛りだ。
このアスハ邸から望める透き通る青い海が、窓越し、朝日を浴びて眩く輝いている。
平和で長閑なこの景色とは、全くもって不似合いな話題。
だが世界のどこかでは、今も奪われた命に嘆き悲しみ、その心を堕としている者がいるのだ。
あと1週間で2月14日。
あの日、地球軍の放った一発の核ミサイルによって、一瞬で『ユニウスセブン』は崩壊した。
同じく、其処に居た自分の母も・・・!
間もなく訪れるあの日を前に、地球圏の特定の区域にて緊張が高まっている。
「そんな事が起こらないように、ちゃんと根回しをするさ。」
気がつけば、真っ直ぐな琥珀色の瞳が自分を見つめて居た。
揺ぎ無いその目には、神秘的な輝きがある。
国と国民の為、世界を相手にしている彼女から感じられるのは、強い信念と愛情!
「悲劇に悲劇を重ねさせたりはしない!」
自分は幾度この瞳に諭されてきたのだろう?
もう思い出せない程に長く、そして失せる事なく深く、己に無くてはならない存在。
大切な女性であり、今となっては守るべき妻なのだ!
時の重みと同じに、感じた慕情。
『あぁ』と言って頷きながら、テーブルの上にあった彼女の手に手を重ねた。
微かに見開き、瞬いた彼女の目に、自らソッと身を寄せる。
くしゃりと額と頬に感じられた金糸髪、そして温かく柔らかな感触が唇から全身を駆け巡った。
 思わず重ねた手に力が入る。
「カガリ。くれぐれも、無理はするなよ?」
間近で囁き告げた言葉に、はにかむように笑った彼女。
「それはお前の方だろ?」
この応対に、思わず自分の顔も崩れていたのだ。



先に屋敷を出て行く彼女の背を見送りながら、脹れた感情を彼は独り遣り過ごす。
自分の心配を他所に、国のため、誰かの為にならばと身を挺してしまう彼女。
勇ましいのは表の顔、実際には唯のか弱い一人の女性なのだから。
守るべき男の本能がくすぐられたのかもしれない。
ふとそんな風に思ったあと、フッと苦笑をしていた。
 「そういえば、あの鉢植えは何なのかを聞くのをすっかり忘れていたな。」
憂う気持ちは無くならないものの、ほんのりと和んでいる心。
悲しい日は、直ぐ其処に迫っている。
だが彼女と共に歩んでいる今に、些細な遣り取りに、しっかりと揺ぎ無い力を得ている自分。
それを強く強く感じながら、アスランは軍服の上着を纏うと、颯爽とドアを開けたのだった。

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